講座04【ISO】:写真の明るさを決めるISO感度:暗い場所でもキレイに撮るコツ


講座01で「ボケ」を、講座02で「光」を、講座03で「時間」をコントロールする方法を学びましたね。


今回は、写真の明るさを決める最後の要素、「ISO感度」について掘り下げていきます。特に、暗い場所での撮影でその威力を発揮する、とても便利な機能です。

「室内や夕方で写真を撮ったら、なんだか暗くてブレてしまった…」
「フラッシュを使わずに、自然な雰囲気で明るく撮りたい…」
そんな経験はありませんか?

ISO感度は、カメラが光をどれだけ敏感に感じるか、という「光に対する感度」を調整するものです。この感度を上げることで、少ない光でも明るい写真を撮ることができるようになります。まるで、暗闇で猫の目が光を集めるように、カメラも光を集める力を強めることができるのです。
この講座では、あなたのカメラで、ISO感度を賢く使いこなし、暗い場所でもブレずに明るい写真を撮る方法を学んでいきましょう。



「ISO感度」って何?どうして必要なの?


「ISO感度」とは、カメラのセンサーが光を受け取る感度の高さを表す数値です。この数値が高いほど、カメラは少ない光でも明るく写すことができます。



イメージしてみましょう!

  • ISO感度を「低く」する(例:ISO100、ISO200)

    光に対する感度が低い → たくさんの光が必要 → 晴れた日の屋外など、明るい場所で使う


ISO感度を「高く」する(例:ISO800、ISO1600、ISO3200)


光に対する感度が高い → 少しの光でも明るく写せる → 室内や夜景など、暗い場所で使う

ISO感度は、一般的に「ISO100」「ISO200」「ISO400」「ISO800」…のように、倍々で数値が上がっていきます。数値が倍になるごとに、光に対する感度も倍になり、より暗い場所でも同じ明るさの写真を撮れるようになります。


基本的には100が最低の感度です。

50などそれ以下の感度がある場合もありますが、特殊な仕組みでISOを下げている(減感とよびます)しているので、100の方が画質はきれい場合がほとんどです。

状況によって変わりますが、基準として日中屋外くらいの明るさはは100と憶えておきましょう。

あとは夕方400~800夜の室内800~1600と憶えておきましょう。



なぜISO感度が必要なのでしょうか?


それは、F値(絞り)やシャッタースピードだけでは、明るさが足りない場面があるからです。



暗い場所で

  • F値を小さく(絞りを開放)しても、まだ暗い

  • シャッタースピードを遅くすると、手ブレしてしまう

そんな時に、ISO感度を上げることで、光を増幅させ、写真を明るくすることができるのです。



ISO感度と「ノイズ」の関係を知ろう


ISO感度を上げると暗い場所でも明るく撮れる、というのは非常に便利なのですが、一つ注意点があります。それが「ノイズ」の発生です。

ノイズとは、写真に現れるザラザラとした点や色のにじみのことです。まるで、テレビの電波が悪くなった時に画面に現れる砂嵐のようなものです。



  • ISO感度が低い(例:ISO100, 200):
    ノイズが少なく、クリアで滑らかな画質



  • ISO感度が高い(例:ISO1600, 3200以上):
    ノイズが多くなり、画質がザラザラしたり、色が不自然になったりすることがある



赤や緑のザラザラした粒子が見えますでしょうか。




車のテールランプや信号、街灯などの色や形状が破綻してしまっています。
夜の空や髪、Tシャツなど、黒が表現できずに白茶けたり、モザイク状になったりしています。

つまり、ISO感度を上げすぎると、写真は明るくなりますが、同時に画質が劣化してしまう可能性があるのです。



最近のカメラは高感度ノイズに強いものが多いですが、それでも限度はあります。



【ポイント】


基本的には、ISO感度はできるだけ低く設定するのが、高画質を保つための基本です。


F値とシャッタースピードで十分な明るさが得られない場合に、最終手段としてISO感度を上げて調整すると考えると良いでしょう。



AUTO ISO(自動ISO感度設定)の活用




さらに細かく設定したい場合は、PモードやA/Avモード、S/Tvモードと組み合わせる「AUTO ISO(自動ISO感度設定)」機能が便利です。
多くのカメラでは、メニュー画面からISO感度の設定を探すと「AUTO」という項目があります。カメラによってはISOダイヤルでA(オート)を選ぶことで自動化します。FUJIFILMのカメラはこのタイプが多いです。

これを設定すると、カメラが自動でISO感度を調整してくれます。
さらに、以下の設定ができる機種もあります。


  • ISO感度の上限設定:例えば「ISO3200」を上限に設定すれば、カメラはそれ以上ISO感度を上げないため、ノイズがひどくなるのを防ぐことができます。どれくらいのISOにすればカメラによって画像が荒れて感じるかは異なります。

    ※撮り手の感覚や表現内容によっても「荒れている」の基準は変わりますので、ある程度試して経験値を上げてみるといいでしょう。ISO10000を超えていても十分写真が成立刷ることはあります。特にモノクロだとザラザラがむしろ表現、味になることもあります。




  • シャッタースピードの下限設定:例えば「1/60秒」を下限に設定すれば、カメラは手ブレしにくいシャッタースピードを保ちながらISO感度を調整してくれます。

    ※シャッタースピードの適性値は、被写体がどのくらいの速度で動いているか、撮影者がどのくらい揺れるかなどの諸条件の組み合わせで決まってきます。特に望遠系のレンズになるほどブレやすくなります。これもお手持ちのレンズで経験値を積むことをおすすめします。





【練習のヒント】


Mモードにして速めのシャッタースピード、絞り目のF値にしてみて下さい。

Mモードは「講座11:マニュアルモードへの第一歩:露出の三大要素を自分で決めてみよう」でしっかり学ぶ予定です。ここではISO感度の変化を感じるためにMモードを使用します。

カメラのモードダイヤルをMに合わせてください。(カメラによって、例えばFUJIFILMのカメラでは、モードさダイヤルはなく、F値とシャッタースピードのダイヤルを任意の値に設定すればMモードと同じ機能になる機種もあります)


撮影場所の明るさにもよりますが、例えば以下のように設定します。


  • 速めのシャッタースピード 1/250 1/500 1/2000 など
  • 絞めのF値 F11 F16 F22 など


1.明るい場所(照明の明るい場所や、屋外の晴れた日中)で、

  • ISO感度をISO100に固定して撮ってみる。
  • 次にISO1600や3200以上に極端に上げて撮ってみる

  • 最後にAUTO ISOにして撮ってみる(カメラが適切なISO感度を選んでくれる)



2.暗い場所(照明の暗い場所や、夕方の薄暗い時間)で

  • まずISO100に固定して撮ってみる(ブレることもあります)
  • 次にISO1600や3200以上に極端に上げて撮ってみる
  • 最後にAUTO ISOにして撮ってみる(カメラが適切なISO感度を選んでくれる)


それぞれの写真の明るさとノイズの出方を比べてみましょう。
今後Mモードを使っていく際はこの経験値を上げていくことになります。
F値、シャッタースピード、ISO感度のバランスです。



3.どんな時にISO感度を上げるべき? シーンに応じた設定


ISO感度を上げるべき主なシーンは以下の通りです。

  • 室内での撮影:光量が少ない室内では、F値を開放し、手ブレしないシャッタースピードを確保した上で、ISO感度を上げて明るさを補います。

  • 夜景撮影(三脚なしの場合):三脚を使わない場合、シャッタースピードを遅くすると手ブレします。ISO感度を上げてシャッタースピードを稼ぎ、手持ちでもブレずに撮ることを目指します。

  • 動きの速い被写体を暗い場所で撮る:子供やペットが室内で遊んでいる時など、シャッタースピードを速くして動きを止めたいが、F値を開放してもまだ暗い場合にISO感度を上げます。






【ISO感度設定のヒント】



  • 晴れた日の屋外:ISO100〜200
  • 曇りの日や明るい室内:ISO400〜800
  • 暗い室内や夕方:ISO800〜3200
  • 夜景(手持ち):ISO1600〜6400(機種による)



まずは、これらの目安を参考にしながら、ご自身のカメラのISO感度とノイズの関係に慣れていきましょう。



この講座で覚えること(まとめ)



  • ISO感度はカメラの「光に対する感度
  • ISO感度が高いほど暗い場所でも明るく撮れる
  • ISO感度を上げすぎると「ノイズ」が増え、画質が劣化する
  • 基本はISO感度を低く保ち、F値とシャッタースピードで調整しきれない場合にISO感度を上げる
  • PモードやAUTO ISOを賢く活用しよう
  • ISO感度の上限設定を活用してノイズを防ぐ





この講座では、「明るさ」を自在にコントロールする露出の三大要素(F値、シャッタースピード、ISO感度)を学びました。


これでさまざまな明るさの場所で、あなたの意図を反映しの明るさの写真を撮れる準備が整いました。
次回の講座では、「なんだか物足りない」を解消する「写真の構図」について学んでいきましょう。


それでは、カメラを持って、ISO感度の世界を楽しんでください!

エンジョイ ゼロフォトカレッジ!📸



※最近のデジタルカメラでは単純に低いISOの方が画質が良いとは言い切れません。興味のある方は「デュアルネイティブISO(Dual Native ISO)」で調べてみてください。用語集では「センサー・画質の用語」に記載されています。 → 用語集


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