講座03【SS(シャッタースピード)とブレ】:ブレずに撮れる!シャッタースピードの賢い使い方
はじめに:なぜシャッタースピードが写真の印象を決めるの?
講座01で「ボケ」を操る楽しさを知り、講座02では「光」の捉え方を学びましたね。
今回は、写真の「動き」を表現したり、逆に「ブレ」を防いだりするために不可欠な「シャッタースピード」について深く掘り下げていきます。
「せっかくの決定的瞬間なのに、なんだか写真がブレてしまった…」
「動きのある写真を撮りたいのに、いつも静止した写真になってしまう…」
そんな経験はありませんか?
シャッタースピードは、写真に写る「時間」の長さをコントロールするものです。この時間を意識的に操ることで、流れる滝を絹のように表現したり、一瞬の躍動感を切り取ったり、あるいは大切な思い出をクリアに記録したりすることができるようになります。
この講座では、あなたのカメラで、シャッタースピードを自在に操る方法を学んでいきましょう。
1.「シャッタースピード」って何?どうして必要なの?
「シャッタースピード」とは、カメラのシャッターが開いている時間の長さのことです。シャッターが開いている間だけ、レンズを通った光がカメラのセンサーに届き、画像が記録されます。
難しく聞こえるかもしれませんが、これもとてもシンプルな仕組みです。
- シャッターを「速く」する:開いている時間が短い → 光が少ししか入らない → 動きが止まって写る
- シャッターを「遅く」する:開いている時間が長い → 光がたくさん入る → 動きがブレて写る(または手ブレしやすい)
シャッタースピードは、通常「1/125秒」や「1/500秒」のように分数で表されます。「1/125」は1秒を125分割した時間、「1/500」は1秒を500分割した時間なので、分母の数字が大きいほどシャッタースピードは速くなります。
また、夜景などでは「2秒」「2s」のように秒単位で表示されることもあります。
※ sはセカンド=秒の英語です。
イメージしてみましょう!
速いシャッタースピード(例:1/1000秒):飛んでいる鳥の羽ばたきをピタッと止める
遅いシャッタースピード(例:1/30秒):走っている車のライトが線のように流れる
2.「ブレ」を防ぐための基本設定:シャッタースピード優先モードを使おう
それでは、いよいよカメラを操作してシャッタースピードを調整してみましょう。
カメラには、シャッタースピードを自分で調整できる便利なモードがあります。
それが「シャッタースピード優先モード」です。
あなたのカメラのダイヤルを見てください。「S」または「Tv」と書かれたモードが見つかりますか?
これがシャッタースピード優先モードです。
モードダイヤルを「S」または「Tv」に合わせる
これで、あなたがシャッタースピードを設定すると、カメラが自動的にF値(絞り)やISO感度を調整してくれます。
- シャッタースピードを設定してみよう
- カメラのダイヤルを回して、シャッタースピードを変えてみてください。
- ファインダーを覗いたり、液晶モニターを見ながらシャッターボタンを半押ししてみてください。露出が適正になるように、F値などが自動で変わるはずです。
- まずは、手ブレを防ぐための基本から。一般的に、「1/焦点距離」よりも速いシャッタースピードが手ブレを防ぐ目安と言われています。(例:50mmレンズなら約1/60秒以上、85mmレンズなら約1/100秒以上)
設定によりますが、この辺りにあるダイヤルのいずれかでシャッタースピードが変更できます。もう一方はF値の変更ダイヤルであることが多いです。
シャッタースピード専用ダイヤルがある機種もあります。
ご自身の機種のダイヤルを見つけて操作してください。
- 動きを止めたい時(例:子供やペット、スポーツ)
- 1/500秒、1/1000秒など、速いシャッタースピードを選ぶ。
- 早いシャッタースピードほど、速い被写体を止めることができます。
- 1/500秒、1/1000秒など、速いシャッタースピードを選ぶ。
- 手ブレを防ぎたい時(風景など)
- 1/125秒、1/250秒など、少し速めのシャッタースピードを選ぶ。
- シャッターボタンを半押しして確認。
ファインダーを覗いたり、液晶モニターを見ながらシャッターボタンを半押ししてみてください。露出が適正になるように、F値などが自動で変わるはずです。
シャッタースピードで「動き」を表現する3つの方法
シャッタースピードを調整することで、単にブレを防ぐだけでなく、写真に「動き」の表現を加えることができます。これらを組み合わせることで、もっと印象的な写真が撮れるようになります。
①一瞬を止める(高速シャッター)
- 方法: 速いシャッタースピードは、目に見えない一瞬の動きをピタッと止めて写し出します。
- 実践: 水しぶき、ジャンプする人、走り回る動物など、動きの速い被写体を撮る時に有効です。1/500秒以上のシャッタースピードを試してみましょう。
②流れを写す(低速シャッター)
- 方法: 遅いシャッタースピードは、時間の流れを一枚の写真に閉じ込めることができます。
- 実践: 滝や川の流れが糸のように滑らかになったり、夜の車のライトが光の線になったりする表現が可能です。三脚を使い、1秒以上のシャッタースピードを試してみましょう。
③動きをぶらす(被写体ブレ)
- 方法: 被写体だけをあえてブレさせることで、躍動感やスピード感を表現します。背景はピントを合わせてはっきりと写します。
- 実践: シャッタースピードを遅く設定し、カメラを被写体の動きに合わせて動かしながらシャッターを切ります。これを「流し撮り」といい、走る車や自転車を撮る時によく使われます。シャッタースピードは1/30秒や1/15秒がおすすめです。
では実際に手元のカメラでトレーニングしてみましょう!
【練習のヒント】
まずは、静止しているものを速いシャッタースピード(例:1/250秒以上)で撮ってみましょう。
次に、少し遅いシャッタースピード(例:1/30秒や1/15秒)で撮ってみてください。手ブレに注意しながら、写真がブレてしまうことを体験してみましょう。
慣れてきたら、家族やペットに少し動いてもらい、速いシャッタースピードで動きを止めて撮る練習をしてみてください。
【ちょっと応用】
「F値(ボケ)」と「シャッタースピード(動き)」は、写真の表現において車の両輪のようなものです。
例えば、「速い動きを止めつつ、背景も大きくぼかしたい」という場合は、シャッタースピード優先モードで速いシャッタースピードを設定し、カメラが自動でF値を小さい値(開放寄り)にしてくれるように任せるか、M(マニュアル)モードで両方を自分でコントロールする必要があります。
練習問題:身の回りの「動き」を撮ってみよう!
さあ、いよいよ実践です。今日から、身の回りの「動き」を意識して撮ってみましょう。
- 歩いている人や自転車:シャッタースピード優先モードで1/250秒や1/500秒に設定し、動きを止めて撮ってみる。
- 公園の噴水や滝(あれば):シャッタースピードを遅く(例:1/30秒、三脚があれば数秒)して、水の流れを表現してみる。
- 車の流れ(安全な場所から):流し撮りに挑戦!車が横を通過するタイミングでカメラを振りながら、1/60秒あたりでシャッターを切ってみる。
- 家の中の扇風機:速いシャッタースピードで羽を止め、遅いシャッタースピードで羽が回っているように見せる。
撮った写真を見比べてみてください。シャッタースピードを変えるだけで、写真から伝わる「時間」や「動き」の印象が大きく変わることに気づくでしょう。
【写真のサングラス】について少しお話しします
南国や明るいところではサングラスをかけることがありますね。
サングラスは①光を減らして、②反射の影響を抑えることで、明るい光の中でも見えるようにするものです。
写真にもサングラスのようなアイテムがあります。
レンズの前につけるのが一般的です。
光を減らす → NDフィルター
反射を抑える → PLフィルター
明るいところで長い時間のシャッタを―切るには、「光を減らす」必要があります。
結論から言ってしまうと「NDフィルター」を使う!ということです。
「明るいところ」かどうかというのは、写真の場合は以下の3要素の兼ね合いで決まってきます。
- 絞り
- シャッタースピード
- ISO
スーパー初心者講座では難しくなりすぎてしまうので、そういうのもあるんだ、ということで頭の片隅に置いておくとよいでしょう。ビギナー講座その先の講座で学ぶことで、より分かってくるものです。
この講座で覚えること(まとめ)
- シャッタースピードは写真の「時間の長さ」
- 速いシャッタースピードは動きを止める
- 遅いシャッタースピードは動きを流す、または手ブレしやすい
- 「シャッタースピード優先モード(SまたはTv)」でシャッタースピードを設定する
- 動きの表現の方法:
①一瞬を止める(高速)
②動きを流す(低速)
③背景を流す(流し撮り)
この講座で、あなたは「ブレ」を防ぎながら、写真に生命感や躍動感を吹き込む技術の第一歩を踏み出しました。
次回の講座では、写真の明るさを調整する三大要素の最後のひとつ、「ISO感度」について学んでいきましょう。
カメラを持って、シャッタースピードの世界を楽しんでください!
それでは~








