講座02【光の向き】:写真がドラマチックに変わる!光の向きと選び方入門

はじめに:光を意識するだけで、写真の印象はガラッと変わる!


前回の「ボケ」の講座、楽しく学べましたか?背景をぼかす楽しさは、もう実感していただけたでしょうか?

Web講座は何度でも見て復習できるので、一度で覚えないといけないというものではありません。学校のクラスに実際に出席する授業では、授業のペースに合わせなければなりません。一方、ゆっくり自分のペースで学べるのがWeb講座のいいところです。そのメリットを意識して、とにかく気楽に楽しんでみてください。

また、ひとそれぞれ、得意なところや、習得に時間がかかるところは異なります。ひとと比べたりせずに、楽しんで身につけていくようにしてください。単純な勉強と違って、創造性の伴うものは、自由な心と自分自身の感覚を維持していくことが大切です。学ぶ過程でそれを失わないようにすれば、いずれ自分ならではの形が見えてきます。それまで、楽しく、自分を大切にしていくようにしましょう!


これからは、写真にとって最も大切な要素の一つ、「光(ひかり)」について学んでいきましょう。
「光」は、写真の印象を良くも悪くも大きく左右します。光の向きや強さを少し意識するだけで、あなたの写真が劇的に変わると言っても過言ではありません。

この講座では、普段何気なく目にしている光が、写真の世界でどのように使われているのかを、分かりやすくご紹介します。特別な機材は必要ありません。あなたのカメラと、少しの意識で、新しい写真の世界の扉を開けていきましょう。


1. 「光の向き」を知ろう:写真の表情が変わる魔法


光は、被写体のどこから当たるかで、写真の表情を大きく変えます。
基本的な光の向きを3つご紹介します。まずは、あなたの周りにある「光」がどこから来ているのか、意識してみましょう。


① 順光(じゅんこう):被写体の「真正面」から当たる光


  • 特徴: 太陽や照明があなたの背中にあり、被写体に正面から光が当たる状態です。被写体全体が明るく均一に写り、影が少なく、色が鮮やかに出やすいのが特徴です。被写体の形がはっきりと見えます。

  • 向いているシーン:

    • 風景写真: 青空や雲の色をきれいに見せたい時、建物の全体像を明るくクリアに撮りたい時。
    • 集合写真: 人物の顔に影ができにくく、みんなが明るく写るため、記念写真などに向いています。
    • 物の記録: 特定の物の色や形を正確に記録したい時。

  • 注意点: 平面的な印象になりがちで、奥行き感が出にくいことがあります。また、撮影者(あなた)自身の影が写り込んでしまわないよう、足元やモニター画面をよく確認しましょう。まぶしさで被写体(人物など)が目を細めてしまうこともあります。



② サイド光(サイドこう):被写体の「横」から当たる光


  • 特徴: 太陽や照明が被写体の横から当たる状態です。被写体の片側が明るく、もう片側に影ができるため、立体感や奥行きが生まれます。影の濃淡が被写体の質感や凹凸を際立たせ、ドラマチックで雰囲気のある写真になりやすいのが特徴です。

  • 向いているシーン:

    • 人物写真(ポートレート): 顔に陰影ができ、表情に深みや魅力を与えます。
    • 料理や小物: 質感(しっとり、ザラザラなど)が際立ち、より美味しそうに見えたり、素材感が伝わりやすくなります。
    • 建物や彫刻: 凹凸が強調され、その存在感を際立たせることができます。

  • 実践ヒント: 朝日や夕日の斜めからの光は、サイド光になりやすく、特に温かみのあるオレンジ色の光が被写体を美しく見せてくれます。少し角度を変えるだけで影の形が変わるので、色々試してみましょう。



③ 逆光(ぎゃくこう):被写体の「後ろ」から当たる光


  • 特徴: 太陽や照明が被写体の背後にある状態です。被写体の輪郭が光って見え(これを「エッジライト」や「リムライト」と呼びます)、幻想的で印象的な雰囲気を演出できます。主役が暗く写りやすいという難しさもありますが、それを逆手に取った表現も可能です。

  • 向いているシーン:

    • 夕焼けを背景にした人物や木々: 輪郭が美しく輝き、ロマンチックな雰囲気になります。
    • キラキラした水面や葉の透け感: 光が透けることで、透明感や輝きを強調できます。

  • 雰囲気作り: あえてシルエットにして、被写体の形だけでドラマを表現したい時。

  • 注意点: 主役(人物の顔など)が暗く写りすぎないよう、明るさの調整(露出補正)や、場合によってはフラッシュを弱めに使うなどの工夫が必要になります。(露出補正については後日詳しく学びます)レンズに直接強い光が入ると、フレアやゴーストという光の滲みが発生することがありますが、これを表現として活かすこともできます。



  • ワンポイント: 逆光の入り方を斜めにずらすことで、よりドラマチックな表現になることもあります。反逆光という光の使い方です。


2. 「光の質」を知ろう:やわらかい光と強い光


光には「向き」だけでなく、「質(しつ)」もあります。大きく分けて「やわらかい光」と「強い光」の2種類を意識してみましょう。


① やわらかい光(ディフューズ光):影が薄く、境目がぼんやりとした光


  • 特徴: 曇りの日や、日陰、窓から差し込む間接的な光などがこれにあたります。光が均一に広がるため、影が薄く、優しい雰囲気の写真になります。被写体の色も自然に表現しやすいです。 
     
  • 向いているシーン:

    • 人物のポートレート: 影がきつく出ず、肌がなめらかに、表情が優しく写ります。
    • 花や小物: きつい影ができず、被写体の繊細な美しさを引き出します。
    • マクロ撮影: 小さな被写体にも均一に光が当たりやすいです。

  • 実践ヒント: 窓際でレースカーテン越しに撮ったり、曇りの日に屋外で撮影する際は、このやわらかい光を意識してみましょう。



② 強い光(ハード光):影が濃く、境目がくっきりとした光


  • 特徴: 晴れた日の日中、特に正午近くの太陽光や、直接当たるストロボの光などがこれにあたります。コントラストが強く、影が濃くはっきり出るため、力強く、メリハリのある写真になります。

  • 向いているシーン:

    • 建物のシルエット: 影を活かした抽象的な表現や、力強さを出したい時。
    • 影を主題にした写真: 長い影や特徴的な影を写真の主役にする時。
    • カラッとした雰囲気: 地中海のような強い日差しの風景など。

  • 注意点: 人物撮影では、顔に強い影が落ちてきつく見えたり、まぶしさで目を細めたりすることがあります。被写体によっては情報が飛んでしまったり(白飛び)、真っ黒につぶれたり(黒つぶれ)することがあります。


3. 光を見つける練習:あなたの周りの「良い光」を探してみよう


光の向きと質が分かったところで、今度は実際に「いい光」を探す練習をしてみましょう。


① 時間帯を意識する


  • 「ゴールデンアワー」を狙う: 太陽が低い位置にある早朝(朝日)と夕方(夕日)の時間帯は、光がやわらかく、温かい色になります。この時間帯は「ゴールデンアワー」と呼ばれ、写真家にとって最高の時間です。サイド光や逆光のドラマチックな写真も撮りやすくなります。

  • 「ブルーアワー」も美しい: 日の出前や日没後の、空が青く染まる短い時間帯は「ブルーアワー」と呼ばれます。街の明かりが際立ち、幻想的な雰囲気が魅力です。

  • 日中の光は?: 正午近くの光は真上から強く当たるため、影が短く、コントラストが強くなりがちです。特に人物の顔に濃い影(目の下など)ができやすいので、日陰を利用するなどの工夫が必要です。




 場所と光の関係を観察する


  • 屋外で:
    • 太陽の向きを常に意識し、被写体のどこから光が当たっているかを確認しましょう。
    • 木陰や建物の陰など、やわらかい光が差し込む場所を探してみましょう。
    • 順光、サイド光、逆光、それぞれの位置で同じ被写体を撮り比べてみましょう。

  • 屋内で:
    • 窓からの光は、時間帯によって向きや強さが変わります。
    • カーテンやブラインドで光を調整してみましょう(やわらかい光を作れます)。
    • 照明器具の光も、被写体に当たる角度を変えると印象が変わります。






【練習のヒント】


お散歩カメラを持って、普段歩いている道を「光」を意識しながら歩いてみてください。
「あ、この木にはサイド光が当たってて立体感があるな」とか、「この建物の壁は順光で色が鮮やかだな」といった発見があるはずです。
そして、気になった場所で実際にカメラを構えてみましょう。

逆光は目で見た通りには映らないものです。というのも、人の目は明暗を自動で調整して認識することができます。カメラはそういった機能も向上してきましたが人の目と認識とは異なるものです。iPhoneなどはその点を意識して画像加工を加えた写真が撮れるようになっています。

そのため、カメラで逆光を撮影する場合は、まず撮影してみるとよいです。その結果を経験値として蓄えていくと、上級者への道が開けてきます。


4. この講座で覚えること(まとめ)


  • 光の向きは「順光」「サイド光」「逆光」の3種類

    • 順光: 色鮮やか、均一な明るさ(記録写真、集合写真向け)
    • サイド光: 立体感、質感強調、ドラマチック(ポートレート、料理、建物向け)
    • 逆光: 幻想的、輪郭が輝く(夕景、透けるもの、雰囲気重視向け)

  • 光の質は「やわらかい光」と「強い光」の2種類

    • やわらかい光: 影が薄く優しい(人物、花、小物向け)
    • 強い光: 影が濃くメリハリがある(シルエット、影を主題にする写真向け)

  • 早朝・夕方の光は写真に最適



この講座で、あなたは「光」という、写真の最も基本的な要素を理解し、意識的に使える第一歩を踏み出しました。これからは、光を意識して写真を撮ることが、あなたの写真表現の大きな力となるでしょう。

次回の講座では、「ブレずに撮れる!シャッタースピードの賢い使い方」について学び、写真の基本設定をさらに深く掘り下げていきます。

それでは~

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